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探偵ラボは、探偵に関する情報発信サイトです。

先入観REPORT #5

◆先入観



先入観とは、
「前もって作られた固定的な観念」
「思い込み」「バイアス」のことです。



探偵が決して持ってはいけないものの一つ。それが先入観です。探偵研修では、先入観を捨てることから始めます。先入観を捨てるのは、大変難しいこと。普段なんとなく生活していれば、どんどんデータが蓄積され、先入観は増えていきます。この先入観を探偵が調査中に持ってしまうと、理想的な調査が行えなくなります。



例を挙げます。



「赤信号の横断歩道で信号待ちをしている調査対象者。青になったら・・・」



調査対象者は信号が青になったら、横断歩道を渡るのか、渡らないのか。
多くの場合、渡るでしょう。しかし、人間の行動は不規則なものです。何らかの理由があり、又は何の理由もなく、横断歩道を渡らないかもしれません。
忘れ物をしたと思い出し、転回して、往路を戻るかもしれません。
携帯電話が鳴り、その場で立ったまま電話をするかもしれません。
前から顔見知りの人が来て、立ち話をするかもしれません。
車道の赤信号で停車したタクシーに乗車するかもしれません。
なんとなくボーっとして立ち尽くすかもしれません。



このような時に、探偵が調査対象者と同じように赤信号の横断歩道で信号待ちをしていたら、どのようになるでしょうか。赤信号が青に変わった時に、調査対象者と同じような行動をとらないと、調査対象者を追い抜いてしまう結果になってしまいます。若しくは、追い抜くのを避ける為に何らかの手段を取った場合、その行動は自然な行動ではなくなります。探偵は常に世の中に溶け込んでいなくてはいけません。その法則からはみ出し、不自然な行動をすることによって、周りから浮いた存在になってしまいます。運よく調査対象者に見られなければいいですが、万が一、調査対象者にそんな探偵の姿を見られたら・・・。その後、ホテルやマンションで証拠を取るために調査対象者に近づき撮影をしなくてはいけないのに・・・。考えただけでも恐ろしい。



探偵の些細なミスで、証拠を取ることが困難になったりします。その為にも、探偵は、先入観を捨て、全てを疑い、調査にあたらなければいけません。